リサイクルの日を逃し、息子の溜まりに溜まった空き缶
道の向こうから空き缶集めの人が重い二輪車を押して歩いてくるのが見えた。
空き缶が山の様に積み上げられ今にも崩れそう。
自動販売機のゴミ箱をあけて空き缶を集めてる所を見るとまだ少しでも空き缶が必要なのね。
待って下さい〜
わたしは急いで自宅の車庫から空き缶の入ったパンパンのゴミ袋を抱えてきて呼び止めた
「すみません!これもお願いできますか?」
するとびっくりした様に受け取ってくれた。
「お願いします」と言うと、とっても小さな声で「ありがとうございます」と
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ホームレスの方の目をじっと見つめたのは初めてかも知れない。
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私は瞳をじっと見つめた。
優しい目のおじいちゃんだった。
だけどその瞳は灰色に見えた。
優しいでもなぜか色のない目
すべての感情を呑み込んだ果ての目
この世界にいない
この世界を見ていない
一瞬彼の世界全体のエネルギーを感じる
まだ行った事のない異国のエネルギー
同じ日本に住んでいるけれど
異国の人のよう
それは感じた事がないエネルギーだから?
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私はほんの少し申し訳ない気持ちがした
存在しているのに今まで見てもいなかった
人は自分に関係ない世界は見えないものだから
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彼らは自由を謳歌している?
そうかも知れないが
心の色がない
それは心の交流が少なすぎるからかも知れない
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彼は幸せでも不幸せでもない
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心が静かすぎるほど静かだ
誰も立ち入ることのない森の奥の湖
何もかも抜け落ちた静寂さ
でも森の奥の湖面の底は腐った藻や泥で白く濁っている
過去の心の欠片が水底に何層も何層も溜まって見える
オーラも白く濁っていた
しかしこの深い静けさはなんだろう
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彼は
諦め
受け入れの神
静けさの神
ただ生きる為に生きる
異国のエネルギーは私の世界と溶けこんでひとつになり混ざってわからなくなった
小さな身体に大きすぎるパンツはボロボロ。シャツの袖も真っ黒だ。
今度は息子の要らない服をもらってくれるといいな
救世軍も今は引き取ってくれなくて、、行き場のない服がたくさんあるの
本当に必要なものしか要らない
だから受け取ってくれるかは分からないけど
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何度か会う毎に
近所の優しいおじいちゃんという
そんな色で心が染まる日は来るのだろうか
そっとしておいて欲しいかも知れない
だからそれを望むか分からないけど、、
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日々たくさんの人のエネルギーを感じる
たくさんの物のエネルギーを感じる
たくさんの場所の
たくさんの次元の場の
人のエネルギーは不思議だ
それは1つの宇宙
人それぞれ
過ごしてきた歴史
染み込んだ思い
色々なものが混ぜこぜになって
私の中に流れてきて
全部違う
違う宇宙を感じる
一瞬
遥かな異国
異次元の宇宙に旅をする
そして私とひとつになる
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藤井風 「帰ろう」↓